記事 · 2026年10月30日
PHP2Shell とは? WordPress サイトで確認すること、やること
PHP 本体の重大な脆弱性 PHP2Shell(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)。WordPress を更新しても直りません。影響の確認方法、ホスティング会社への聞き方、乗っ取りのサインまで。
2026年10月20日に、PHP 本体の重大な脆弱性「PHP2Shell」の情報が出回り、翌日に修正版が公開されました。すでに攻撃も確認されています。WordPress を使っている方に関係するのは、次の一点です。
これは WordPress の不具合ではなく、PHP の不具合です。WordPress やプラグインを更新しても直りません。直すのは PHP です。
PHP2Shell とは
PHP2Shell は、PHP の二つの脆弱性(CVE-2026-109618 と CVE-2026-109619)の通称です。深刻度はどちらも 9.2(CVSS v4.0、10 段階で「緊急」)。
細工したリクエストを一つ送るだけで、ログインなしにサーバー上で攻撃者のコードを動かせる可能性があります。しかも WordPress が読み込まれる前、PHP の中で起きるので、WordPress 側の設定やセキュリティプラグインでは防げません。サーバーのメモリの中身(パスワードやセッション情報など)が漏れるおそれも指摘されています。
影響を受けるのは PHP 5.4 から 8.5 まで。つまり、ほぼすべての WordPress サイトです。
自分のサイトは影響を受ける?
- WordPress の管理画面で ツール → サイトヘルス → 情報 を開きます
- サーバー の項目で PHP バージョン を確認します
- 次の表と比べます
| PHP のバージョン | 修正済みのバージョン |
|---|---|
| 8.5 | 8.5.12 以上 |
| 8.4 | 8.4.27 以上 |
| 8.3 | 8.3.36 以上 |
| 8.2 | 8.2.35 以上 |
| 8.1 以前 | 公式の修正なし(ホスティング会社の対応次第) |
ひとつ注意があります。Ubuntu などのサーバー OS では、バージョン番号を変えずに修正だけを取り込むことがあります。番号が古く見えても修正済みの場合があるので、最終的にはホスティング会社に確認するのが確実です。
Ubuntu のサーバーの場合
Ubuntu では、PHP のバージョン表示は「8.3.6」のままでも、パッケージが新しければ修正済みです。目安は次のとおりです(Ubuntu の公式発表より)。
| Ubuntu | 修正済みのパッケージ |
|---|---|
| 26.04 LTS | 8.5.4-0ubuntu1.5 |
| 24.04 LTS | 8.3.6-0ubuntu0.24.04.13 |
| 22.04 LTS | 8.1.2-1ubuntu2.28 |
| 20.04(ESM) | 7.4.3-4ubuntu2.29+esm5 |
VPS などを自分で管理している場合は、sudo apt update && sudo apt upgrade で更新し、PHP を再起動します。
やること
- ホスティング会社に確認する:「PHP2Shell(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)の修正は、私のサーバーに適用されていますか?」と聞けば十分です。対応状況をお知らせページで公開しているホスティング会社も多いので、先に確認してみてください
- 管理画面で PHP を上げる:PHP のバージョンを自分で選べるサーバーなら、8.2 以上の修正済みバージョンに切り替えます
- PHP 8.1 以前を使っているなら、これを機に上げる:公式の修正はもう出ません。Meow Apps のプラグイン(AI Engine、SEO Engine、Media Cleaner など)は PHP 8.1 から 8.5 で動くので、更新の妨げにはなりません
切り替えたら、念のためサイトの表示と管理画面を一通り確認してください。
乗っ取られていないか確認する
PHP を直しても、修正の前に入り込まれていた場合は、それでは消えません。攻撃者はよく、隠れた管理者アカウントや小さな裏口ファイルを残していきます。
- ユーザー の一覧に、見覚えのない管理者がいないか
- プラグイン に、入れた覚えのないものがないか
- Google で
site:あなたのドメインと検索して、身に覚えのないページ(スパムや怪しい商品ページ)が出てこないか - Google Search Console の セキュリティの問題 に警告がないか
wp-content/uploadsの中に.phpファイルがないか(ここは画像や書類の置き場所で、PHP ファイルはふつう入りません)
何か見つかったら、ホスティング会社か専門の業者に相談してください。慌てて消すより、まず状況を記録するほうが大切です。
なお、最近のマルウェアには、管理画面のユーザー一覧から自分を隠すものもあります。一覧に何もなくても安心はできません。詳しい確認と対処の順番は、WordPress が乗っ取られたかも?にまとめました。
AI に確認を手伝ってもらう
AI Engine の MCP で Claude や ChatGPT をつないでいるなら、上の確認の多くを会話で頼めます。読み取り専用(Read-only)の接続で十分です。
「このサイトの管理者ユーザーを一覧にして。それから、インストールされているプラグインの一覧も見せて。何も変更しないで」
見覚えのない名前がないか、一覧を自分の目で確認します。ただし、ユーザーを隠すマルウェアは、AI が見る一覧からも隠れている可能性があります。ここで何も見つからなくても、上の Google や Search Console の確認は省かないでください。
つなぎ方は MCP のページにまとめています。PHP のバージョンそのものはサーバー側の話なので、サイトヘルスかホスティング会社で確認してください。
まとめ
- PHP2Shell は PHP の脆弱性。WordPress の更新では直らない
- PHP 8.2.35 / 8.3.36 / 8.4.27 / 8.5.12 以上なら修正済み(番号が同じでも修正済みの場合あり)
- 迷ったらホスティング会社に一行で聞く
- 直したあとは、乗っ取りのサインがないかも確認する